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2019.2.3

メモとは、サプリメントである

講演で成功した人の話を聴いたり、SNSで流れてくる著名人の投稿を読んだりして心に残った内容をメモしておくことは、サプリメントを飲むようなものだと僕は思う。

ビタミンや鉄分など、日常生活で不足しがちな栄養素を手軽に摂取できたり、補えたりするメリットにおいて、サプリメントの右に出るものはないだろ。ただ、果たしてそれで本当に健康になれるのか。健康になった気になって満足しているだけではないのか。あくまでもたとえ話であり、専門家ではないので「浅い知識でサプリメントを語るな」などといった批判はご容赦いただきたい。

功罪相半ばするところだが、雲の上の存在ですら、まるで近所の住人であるかのように錯覚するのが、SNSが発達した情報化社会のありようだ。フォローしている人のつぶやきや投稿から生きていくために必要な栄養分を手軽に摂取できる現代は、なんて便利な時代だろう。その意味でSNSは、(一部)無料の「サプリメントとり放題サービス」を提供する贅沢空間とも言える。スイーツ天国ならぬ、サプリメント天国である。

ただ、わかった気になっているだけではないのか、ここでも考える必要がある。誰かが山の頂上で撮影した写真を見ただけで、自分も踏破した気になっているんじゃないか。その景色を堪能するにはまだ、足腰の筋力が足りていないんじゃいか、という視点は持っておきたいと思う。

サプリメントについても同様で、茹でるなり煮るなりした野菜を自分の口で咀嚼し、自分の唾液で分泌し、自分の消化酵素で吸収するというプロセスを経た方が、血となり肉となりやすいことは確かだろう。

前置きが長くなったが、前田裕二著『メモの魔力』はいわば、「野菜を噛んで食べなさい」と薦める本である。いや、「それぞれの野菜を噛んでしっかりと味わうのはもちろん、どんな栄養成分が含まれていて、身体にどう影響するのか、逐一分析しながら食べなさい。そして、自分の身体に合った調理法や献立を考えなさい」と薦める本である。

タイトルはうさんくさいが、おもしろかった。おすすめです。

前田裕二著『メモの魔力』

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